本記事では、ジョンロブの代表的なローファーであるロペス(LOPEZ)と、同じくローファーモデルのフェルトン(FELTON)を比較しています。
まず以下がロペスです。代表的なローファーのデザインで、ローファーと聞くとこのデザインをイメージする方も多いかもしれません。
一方、以下がフェルトンです。
ローファーの中でも少し特徴的なデザインとなっています。
このように、二つとも同じローファーモデルではありますが、そのデザインは大きく異なっています。
また、パッと見だけでは分からない違いも多くあります。
本記事が、ジョンロブのローファーの購入を検討している方の参考になれば幸いです。
1.プレステージラインとクラシックライン
まず、両者の大きな違いとして、属しているモデルラインが異なります。
ジョンロブには大きく以下の3つのモデルラインがあります。
1.プレステージライン
2.クラシックライン(スタンダートライン)
3.ニュークラシックライン
このモデルラインのうち、フェルトンは「1.プレステージライン」に属し、ロペスは「2.クラシックライン(スタンダートライン)」に属します。
そのため、フェルトンはロペスより一つ上のモデルラインにあるため、一般的に言えば、作りや価格においてフェルトンの方がロペスより上になっています。
なお、この3つのモデルラインについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照下さい
2.ラストが異なる
また、この両者はラストが異なります。
フェルトンのラストは0215番で、細身でエレガントなアーモンドトゥのラストです。
一方、ロペスのラストは4395番で、ワイドなラウンドトゥのローファー用ラストです。
このように、同じローファーですがラストが異なり、フェルトンの方がやや細身のラストになっています。
両方の靴を並べてみると以下のような感じです。
デザイン自体の違いによる点もありますが、全体的な印象としてもフェルトンの方が少し細身で、ロペスの方が若干丸みのある印象を受けます。
3.アッパーのデザインが異なる
この両方の靴はラストが異なるだけではなく、その細かなデザインも異なっています。
ロペスは、いわゆるコインローファーと言われるスタイルで、甲の部分のストラップに楕円形の切れ込み窓が入っています。
なお、昔はこの切れ込み部分にコインを入れたことから「コインローファー」と言う呼び名がついたようです。
一方、フェルトンは甲の部分にストラップはありますが、切れ込みは入っていません。
また、そもそもストラップ自体もロペスに比べかなり細い作りになっています。
また、ストラップ部分の作りを横から見ると以下の通りです。
まずはロペスです。
ストラップ部分の革が靴のサイドの上部で縫い合わせてあるのが分かります
一方、以下がフェルトンです。
ストラップ部分の革が、靴の下のソール部分まで延びているのが分かります。
また、上の写真のようにストラップの端にはループが2つ付いていますが、このループは装飾であり、ストラップを締めるような機能はありません。
なお、以下は全体を横から見た写真です。
以下がロペスです。
そして、以下がフェルトンです。
横から見たデザインでも、ストラップ部分の違いやヒールの高さの違いなどからフェルトンの方がシャープな印象を受けます。
4.ソールも異なる
最初に述べた通り、ロペスはクラシックライン(スタンダートライン)に属しており、一方、フェルトンはプレステージラインに属するため、ソールの作りも異なります。
以下の写真の左側がロペスで、右側がフェルトンです。
左側のロペスは、クラシックラインのため通常のレザーソールですが、右側のフェルトンはプレステージラインのため半カラス仕上げになっています。
また、プレステージラインであるフェルトンは、土踏まずの部分を極限まで細く絞り込んだヴェヴェルドウェストを採用しています。
以下がフェルトンの土踏まず部分の写真です。
下のロペスの写真と比べると違いが分かり易いかと思います。
5.ヒール部分の違い
ヒール部分の高さにも違いがあります。
まずヒールのアッパー部分の作りについてはどちらも縫い目があり、シームレスではありません。
以下がロペスです。
そして、以下がフェルトンです。
どちらもアッパー部分に縦の縫い目が入っています。
大きな違いは、ヒールの高さです。
下の写真のように左側のフェルトンの方がヒールが高く小さな作りになっています。
後ろから見てみると高さの違いがよく分かります。左側がフェルトンで右側がロペスです。
このヒールの高さの違いも、フェルトンのシャープなイメージを印象付けているかと思います。
6.シューツリーの有無
この2つの属しているモデルラインが異なることによる違いの一つに純正シューツリーの付属の有無があります。
フェルトンはプレステージラインに属していることから純正シューツリーが付属します。
一方、ロペスはクラシックライン(スタンダードライン)に属してることから純正シューツリーは付属しません。
ジョンロブの純正シューツリーは22,000円しますので、両者の価格差を検討する際は、このシューツリーの有無を考慮する必要があります。
7.履き心地
ロペスには多くのバージョンがあります。
今回比較したロペスは「テンシルコンストラクション」を採用しているモデルで、グレインレザーとテンシルレザーソールの組み合わせに加え、アンライニング仕様になっているため、非常に柔らかい履き心地になっています。
なお、この「テンシルコンストラクション」を採用しているモデルについては、インソールに以下のようなキルティングが施されています。
一方、フェルトンのインソールは以下の通りで、キルティング加工はありません。
フェルトンのソールは、テンシルレザーソールほど柔らかくはありませんが、それでも、アンライニング仕様(靴の内張の革が補強が必要な一部を除いて無い)となっているため、履き心地は硬くはありません。ジョンロブの他の靴(CITYⅡなど)に比べれば十分柔らかな履き心地と言えます。
そのため、ともて柔らかい履き心地が好きな方は、このロペスのテンシルコンストラクション採用モデルがお薦めですし、一方で、ある程度のしっかりした履き心地が好きな方はフェルトンがお薦めです。
8.多くのバリエーションから選ぶことができるのはロペス
ロペスはジョンロブの代表的なモデルということもあり、多くのバリエーションが展開されています。
例えば、この記事で紹介しているロペスはテンシルコンストラクションを採用したモデルで非常に柔らかい履き心地ですが、一方で、通常のレザーソールを採用し、フルライニングのしっかりとした作りのロペスもあります。
さらには2.5ダブルレザーソールを採用したモデルもあります。
このように多くのバリエーションが存在し、自分の好みの履き心地やレザー・ソールから選ぶことができるのがロペスの良い点かと思います。
一方、フェルトンはそのデザインが特徴的であり、細身でスタイリッシュなイメージのローファーが好きな方には非常にお薦めです。
いずれにせよ、どちらのモデルも買って損はしない素晴らしい靴だと思います。
ただ、上述の通りラストが異なりますので、デザインやレザーなどの好みに合うことはもちろん、自分の足型に合った方を選ぶという観点で検討することも大切かと思います。
9.詳細レビュー
また、以下の記事ではロペスとフェルトンについて、それぞれ詳細なレビューや着用画像の紹介をしていますので、よろしければご覧下さい。
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