【比較レビュー】ジョンロブ「シティ2 vs アルフォード(CITYⅡ vs ALFORD)」

ジョンロブ(レビュー)

本記事では、ジョンロブのストレートチップのモデルで非常に有名なシティ2(CITY Ⅱ)と、同じストレートチップのモデルであるアルフォード(ALFORD)を比較しています。

外見は、この2つのモデルはよく似ています。

以下がシティ2です。

そして、以下がアルフォードです。

私の持っているアルフォードはカラーがプラムのミュージアムカーフため、色味はシティ2と異なっていますが、同じストレートチップとして、デザインはよく似ています。

ただ、両モデルは異なる点がいくつもあります。

そこで、本記事ではそんな両モデルの違いを紹介しています。

両モデルで迷っている方にとって、少しでも参考になれば幸いです。

1.「クラシックライン」と「プレステージライン」

そもそもこのシティ2とアルフォードは、属しているモデルラインが異なります。

ジョンロブには大きく以下の3つのモデルラインがあります。

1.プレステージライン
2.クラシックライン(スタンダートライン)
3.ニュークラシックライン

この3つのモデルラインのうち、シティ2は「2.クラシックライン」に属し、アルフォードは「1.プレステージライン」に属します。

このように、アルフォードはシティ2の一つ上のモデルラインに属していることになり、価格や作りもアルフォードはシティ2より一段上になっています。

なお、この3つのモデルラインについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照下さい。

2.ラストは同じ7000番

シティ2は、ジョンロブの定番とも言える7000番ラストを使用していますが、アルフォードも同じ7000番ラストを使用しています。

そのため、ラストという観点では両者に違いはありません。

左がシティ2で、右がアルフォードです。

両者に違いがないことが分かるかと思います。

3.アッパーのデザインも似ている

ラストが同じであり、また、いずれもストレートチップのモデルであるため、アッパーのデザインも似ています。

下の写真は、左がシティ2で右がアルフォードですが、アッパーのデザインも似ていることが分かります。

ただ、分かりやすい異なる点もあります。それが、アイレット(紐穴)の数です。

下がシティ2ですが、アイレットは5列です。靴紐も丸紐タイプになっています。

そして、以下がアルフォードですが、アイレットは6列で、靴紐は平紐タイプです。

このように、アイレット部分に分かりやすい違いがあります。

4.ソールの作りが異なる

また、シティ2がクラシックライン、アルフォードがプレステージラインに属していることから、ソールの作りも異なります。

クラシックラインは通常のレザーソールですが、プレステージラインは半カラス仕上げのプレステージレザーソールです。

左がシティ2で右がアルフォードですが、アルフォードは土踏まず部分が黒く塗装してある半カラス仕上げであり、また、レザーソールの革質もアルフォードの方が高いです。

そして、プレステージラインであるアルフォードは、土踏まずの部分を極限まで細く絞り込んだヴェヴェルドウェストを採用しています。

以下がシティ2とアルフォードの土踏まず部分のウェルトを撮った写真です。

上のシティ2の土踏まず部分に比べ、下のアルフォードの土踏まず部分の方がウェルトがより細く削り込まれていることが分かるかと思います。

5.ヒール部分の作りも異なる

また、ヒール部分の作りも大きく異なります。

まず以下がシティ2です。

ヒール部分で革が縫い合わせてあるのが分かります。縫い合わせたラインがヒール部分に縦に入っています。

そして、以下がアルフォードです。ヒール部分に縫い合わせが無いのが分かります。

アルフォードはプレステージラインに属しており、このようにヒール部分に縫い合わせのないシームレスヒールになっています。

このように、アルフォードとシティ2は一見同じように見えても、その作りや縫い合わせ、ディテールのデザインは大きく異なります。

例えば、縫い合わせ箇所が異なることから、側面から見たデザインも異なります。

以下がシティ2を真横から見たデザインです。

そして、以下がアルフォードを真横から見たデザインです。

側面から見たデザインも、ヒール部分が異なるのが分かります。

さらに、ヒールの大きさも異なります。

上がシティ2で、下がアルフォードですが、ヒールの底面はアルフォードの方が小さいのが分かります。

一方、ヒールの高さはアルフォードの方が若干高いです。

左がシティ2で右がアルフォードですが、アルフォードの方がヒールが少し高くなっています。

このようにアルフォードのヒールは、シティ2に比べて小さく高いヒールとなっているため、よりシャープな作りになっています。

6.革質も異なる

また、革質についても、プレステージラインであるアルフォードの方がキメが細かく柔らかい革を使用しています。

この点は写真では分かりにくいのですが、手触りもアルフォードの方が滑らかです。

以下がシティ2です。

そして以下がアルフォードです。

アルフォードの方が滑らかな革質になっています。

7.アルフォードには純正シューツリーが付属する

クラシックラインであるシティ2と、プレステージラインであるアルフォードの大きな違いとして、さらにシューツリーの付属の有無があります。

ジョンロブの靴は、プレステージラインについてはシューツリーが付属しますが、クラシックラインにはシューツリーは付属しません。

そのため、アルフォードにはシューツリーが付属しますが、シティ2にはシューツリーは付属しません。

ジョンロブのシューツリーは22,000円しますので、このシューツリの有無は、両者の価格を検討する際に考慮する必要があります。

8.履き心地はアルフォードの方が柔らかい

シティ2とアルフォードは同じ7000番ラストではありますが、革質が異なるため、履き心地も異なります。

アルフォードの方が柔らかい革質であるため、履き心地も柔らかいです。

ただ、決してシティ2の履き心地が悪いというわけではありませんので、しっかりとした履き心地が好みの方にはシティ2の方が合うかもしれません。

9.価格はアルフォードの方が高い

このように、プレステージラインに属するアルフォードは、クラシックラインに属するシティ2より1ランク上に属しますので、価格もアルフォードの方が高いです。

その価格差は約9万円です。

ただし、シティ2には純正シューツリーが付属しませんので、もし、純正シューツリーの購入を考えているのであれば、その価格差は約7万円となります。

10.最初の一足としては「シティ2」がお薦め

シティ2はジョンロブを代表するモデルであり、その革質や作りやデザインは十分満足できるものです。

そして、シティ2と純正シューツリーを合わせて買ったとしても、依然としてアルフォードより約7万円も安いので、その価格差を考えるとシティ2で十分と感じます。

また何よりも、「シティ2を履いてみたい」という思いがある方もいらっしゃるかと思います。

そのため、この2足のうち最初に買う靴としてはやはりシティ2がお薦めです。

そして、実際にシティ2を履いてみて、次の一足が欲しくなった場合にアルフォードを検討するのが良いかと思います。

なお、シティ2やアルフォードについてより詳しく知りたい方は以下の記事をご参照下さい。

11.シティ2とトーントンの比較

本記事ではクラシックラインであるシティ2と、プレステージラインであるアルフォードを比較してみました。

ジョンロブには、さらにニュークラシックラインにもトーントン(TAUNTON)というストレートチップのモデルが存在します。

以下の記事では、このトーントンとシティを比較していますので、気になる方はご覧下さい。

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